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proud じゃぱねせ

proud じゃぱねせ

波乱万丈な妊娠8ヶ月

(8ヶ月って言うのはアメリカでの数え方なので、日本とは一月ずれる事になるが、、、)



それはある日の夕方。
のんきと二人でラマーズクラスに向かう途中の事だった。
まだ家から出て1ブロックも走っていない辺りで、
なにやらくだらない事を話しながら信号待ちしていると、
後ろから軽い衝撃が、、、
本当に軽い、上半身が何センチか前に出る程度の軽い衝撃を受けた。
後続車にオカマを掘られたのだ。

それを理解したと同時に涙が溢れてきて止まらなくなった。
多少はびっくりしたがそんな大げさな事故でもないのに、
涙が後から溢れてきてどうにもならなかった。
のんきもびっくりしていたが、これには私の方がびっくりした。

「大丈夫か?お腹は?」と私の無事を確認すると、
その時私の方を向いて話していたのんきは、
「首を捻ると痛い。」と眉間にしわを寄せながら、
携帯から救急車を呼んだ。

救急車が来るまで動かずに車の中でじっとしていると、
後続車の運転手の男の人が様子を見に来て車の窓を覗き込んだ。
泣いている私が妊娠している事に気が付くと、
目を見開いて驚き、心配そうに何度も何度も
「Are you okay?」と繰り返した。

外では近所の人だろう、私達の2台の車を避ける様に後続車に指示をしている。
救急車の音が遠くに聞こえた。
のんきは私に、
「危ないからちゃんと担架に乗せてもらうんだぞ。歩いちゃ駄目だ。」と言った。

救急隊員がドアを開け、のんきになにやら質問している間に、
私がいた助手席のドアが開いて、もう一人の救急隊員が、
「大丈夫ですか?何処か怪我は?」と質問してきた。
「No」と短く返事をすると、
「妊娠していますね。お腹がだいぶ大きいので担架に乗らない方が良い。歩けますか?」
と聞かれた。
私はただ頷いて、腕を持たれるままゆっくりと車から降りて救急車まで歩いた。
そしてその中の設置された台(椅子)の上に腰を降ろした。

後からのんきが首にコルセットをされて担架で運ばれてきた。
のんきは私を横目で睨むと、
「歩いちゃ駄目だって行っただろう?俺だけ担架で運ばれて、恥ずかしいじゃないか。」
っと引きつって笑っていた。

私のかかりつけの産婦人科に電話をしてくれた救急隊員によると、
そこの病院の産婦人科にベッドの空きが無いので、他の病院へ輸送される事になるとの事。
大学病院も肝心な時に結構当てにならないな、と思ったが、
心臓がバクバクしていて、もう何処でも良いから連れて行ってくれってなもんだった。

救急車が病院に付いて、救急治療室へ運ばれた。
その時のんきとは別れ別れになって、奴がどうなったのかは、
私の治療がすべて終わって病室に運ばれるまで暫く判らなかった。

治療室に運ばれる時に台に寝かせられた。
その台から手術台のような治療台へ動かされた時が何より痛かった。
腰に激痛が走って涙が出た。

外傷を調べられた後、何処か痛い所が無いか聞かれた時に、
腰が痛いと伝えた。
そして、それが事故が原因であるかどうかは判らないと付け加えた。
とりあえず痛い所は全部言っておいた方が良いだろうと思って。
妊娠していても大丈夫だ、と説明され、腰のレントゲンを取られた。
異常なし。

今度はお腹にモニターをつけられた。
ピロピロと出て来るグラフの描かれた紙を見たナースが、
慌しくそれをドクターに見せてなにやら説明していた。
そのナースが私に近づいてきて、
「You’ve started having contractions.」(陣痛が始まっちゃってるわ)と言った。
最初言われた言葉の意味がすぐに理解できなかった。
「早産の可能性が高いから、入院してもらう事になるわ。」






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